最強総長は姫を眠らせない。🌹
「いや、違うから」
美青ちゃんは否定する。
「え!? 違うの!?」
「みんな噂してるよ。美青は宙だって」
「あはは…私、偽者の姫だからさ」
「え? 偽者の姫?」
あかりちゃんが尋ねる。
「そんなことないよ」
「美青ちゃんは本物の姫だよ」
私がそう言うと美青ちゃんは驚く。
「え、え、どういうこと?」
あかりちゃんはパニックになる。
「あ、姫っていうのは美人って意味だよ」
私が説明すると、美青ちゃんが口を開く。
「とにかく今のナシね」
「え、偽者の美人ってこと?」
「なら、間違いだよ。美青は美人だよ」
美青ちゃんは眉毛を下げて笑う。
「あはは、あかり、ありがと」
「てか、雪乃はどうなの? 宙に言わないの?」
美青ちゃんに聞かれ、驚く。
「え!?」
「バレバレだから」
私は宙くんのことが好き。
だけど、琉くんの姫になるって約束してて、
記憶もまだぜんぶ思い出してない。
そんな状態で告白なんて出来る訳ない。
私は眉を下げて笑う。