最強総長は姫を眠らせない。🌹

 私は驚く。

 予想外の言葉にドキドキが止まらない。

「わ、分かった」



「ゆきのん、髪結んであげよっか?」
 5月30日。校庭であかりちゃんが尋ねてきた。

 今日は月籠(つきかご)高校の体育祭。
 私のクラスはクジ引きで紫団になり、全員ラメが入った紫色のTシャツにズボンを履いている。

「あ、このままで」

「でも暑くない?」

(そら)くんがこのままの髪の方がいいって、ブサイクだから」

 あかりちゃんが驚く。
「えー? (そら)そんなこと言ったの!?」

「ありえない!」
 隣で見ていた美青(みお)ちゃんがブチ切れて私の髪を一つにまとめて掴む。

「あ」
 あかりちゃんと美青(みお)ちゃんは同時に声を上げ、何かを察した。

「え?」

「確かにいつもの方がいいかな」
 美青(みお)ちゃんがそう言うと、

「だ、だね」
 あかりちゃんも同意する。
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