最強総長は姫を眠らせない。🌹
私は驚く。
予想外の言葉にドキドキが止まらない。
「わ、分かった」
*
「ゆきのん、髪結んであげよっか?」
5月30日。校庭であかりちゃんが尋ねてきた。
今日は月籠高校の体育祭。
私のクラスはクジ引きで紫団になり、全員ラメが入った紫色のTシャツにズボンを履いている。
「あ、このままで」
「でも暑くない?」
「宙くんがこのままの髪の方がいいって、ブサイクだから」
あかりちゃんが驚く。
「えー? 宙そんなこと言ったの!?」
「ありえない!」
隣で見ていた美青ちゃんがブチ切れて私の髪を一つにまとめて掴む。
「あ」
あかりちゃんと美青ちゃんは同時に声を上げ、何かを察した。
「え?」
「確かにいつもの方がいいかな」
美青ちゃんがそう言うと、
「だ、だね」
あかりちゃんも同意する。