最強総長は姫を眠らせない。🌹

 私達は背中を向け合った状態で距離が縮まることはなく時は流れ、
 一ヶ月が経ったある日。

 家の近くで傷だらけの(そら)くんが右膝を立てたまま座っているのを見かけた。
 今まで会話なんてほとんどしてなかったし、スルーしようかと思ったけど、やっぱり放っておけなくて。

「一緒に家に帰ろう」

 手を伸ばすと(そら)くんはその手を掴んでくれて、
 私は(そら)くんを家に連れて帰った。

 居間で(そら)くんの顔や体の傷口を消毒して絆創膏をペタペタと貼る。

「手当てなんていいから」
「放っとけばこんな傷すぐ治る」

「私もそう思ってた。でも治んないよ」

 私の両目から大粒の涙が零れ落ちる。
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