最強総長は姫を眠らせない。🌹

 私は腕で涙を拭い、1年A組の席に戻る。

「ゆきのん!」
雪乃(ゆきの)! 大丈夫!?」
 あかりちゃんと美青(みお)ちゃんに尋ねられた。

「うん、大丈夫。ちょっと顔洗ってくる」
 私は体操着入れを持ってテニス場の横の水道まで歩いて行く。

 そして、
 バシャッ。
 水道の蛇口を(ひね)り、顔を洗う。

 熱いな、ほんと。
 あんなかっこいい(そら)くん見たせいだ。

「君が雪乃(ゆきの)?」

 私は蛇口を閉めて、振り返る。
 白団の頭の悪そうなヤンキー男子3人が立っていた。

 え、3年の先輩達?

「あのまま倒れてくれれば紫団一着にならずに済んだのによ」
「ほんと空気読めよな」
 ピンク色に髪を染めたリーダー格の先輩に右腕を強く掴まれる。

「痛っ」
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