最強総長は姫を眠らせない。🌹
「あぁ、適当にここの生徒会長の弟だって副会長に言ったら」
「あら、そうなの? かっこいいから許す♡」
「って成りすましで入れた」
副会長、ゆるすぎ…………。
「まぁ、弟なのは本当だけどな、兄いるし」
「え」
私は驚く。
「お兄さんいるんですか?」
「あぁ、よく兄のバイクのケツに乗っけてもらってた」
「お前も会ったことある」
「え?」
琉くんはジーパンのポケットからスマホを取り出すと、お兄さんの制服姿の写メを見せてきた。
ズキンッ。
また頭痛が…。
頭に映像が浮かんでくる……。
外に跳ねた白のセミロング。
6代目総長氷浦と背中に書かれた青の字を金色で囲った白の特攻服。
『俺は白坂聖』
声まで響いて……。
「う…」
前に倒れ掛かると、琉くんが私の体を支えた。
え、お姫様抱っこされて……。
「琉く…」
「黙ってろ」
琉くんはそのまま歩き出す。