最強総長は姫を眠らせない。🌹
パタパタッ。
駆けてくる足音が聞こえた。
「雪乃!」
紫のTシャツ姿の宙くんが必死に叫ぶ。
「よくここが分かったな」
「お前が雪乃を連れてくのが見えたんだよ」
琉くんは宙くんの右肩にぽんっ、と手を乗せる。
「…お前を嫌う先輩達に絡まれてたぞ」
「…姫を一人にするなよ」
「…だからお前は俺には勝てない」
耳元で嫌味を囁くと、
「姫、またな」
私にそう言って保健室を出て行く。
「大丈夫か?」
「うん」
私は起き上がる。
「おい、まだ寝てろ」
「宙くん、見て」