最強総長は姫を眠らせない。🌹
しゅるっ。
私は紫色のリボンハチマキをほどき、
髪を後ろでポニーテールに結ぶ。
「私は大丈夫」
宙くんに笑いかけると、
「俺が大丈夫じゃねぇ」
強く抱き締められた。
あ、宙くんの上半身が当たって…。
過去を思い出す度、宙くんが遠くなる。
私は琉くんの姫になると約束していて、
だからこんなのダメなのに。
分かってるのに。
私は宙くんに両腕をぎゅっと回す。
私、離れたくない。
叶うことならずっと、このままでいたい。