最強総長は姫を眠らせない。🌹
「大丈夫か?」
「あ、うん」
「宙くんこそ大丈夫?」
「あぁ」
「守れて良かった…」
「ふざけんじゃねぇよ!」
宙くんが怒鳴ると、
私の体がびくつく。
「何一人で勝手に行動してんだよ!?」
「髪も結んでるしマジねぇわ!!」
「ごめ…」
私が謝りかけると、宙くんはフードを被せ、抱き締める。
いけない、こんなの。
だって、宙くんは美青ちゃんと…。
私は離れようとするも宙くんは離してくれない。
「宙く…」
「…振った」
私は両目を見開く。
「え…? 振った…?」
「美青ちゃんを…?」
「あぁ」
「な、なんで…」
「いい加減、分かれよ」
宙くんは抱き締める力を強める。
そんなこと言われたら自惚れちゃうよ…。
ねぇ、宙くん。
なんで久世さんに喧嘩を習ったの?
乗っ取ってまで総長になりたかったのはどうして?
聞きたいけど怖くて聞けないよ。