最強総長は姫を眠らせない。🌹

 悲鳴に耐えられない私は部屋に逃げ込む。

 扉を閉めて崩れ落ちて泣いていると、
 スマホが緑色に光り、(そら)くんから救いのラインが届いた。

『部屋についたか?』

 私は既読をするも返信に躊躇(ちゅうちょ)する。
 すると電話がかかってきた。
 私は慌てて電話に出るも、しまったと思う。

 電話だとお母さんの悲鳴が聞こえてしまうから。

雪乃(ゆきの)、大丈夫か?』

「…あ、うん」
 私は小声で答える。

『8月18日、空いてるか?』

「…うん」

『その日、お袋は?』

「…仕事だと思う」

『じゃあ夏祭りに行くってことで』

 夏祭りに行くんだ…。

「…みんなで?」

『ふたりで』

 えぇ!?
 ふたりで夏祭り!?

『18時45分にお前のマンションにバイクで迎えに行く』
『当日、ポニテな』
< 179 / 392 >

この作品をシェア

pagetop