最強総長は姫を眠らせない。🌹


「あれ…私服…?」
 8月18日の夜。マンション前に行くと(そら)くんが停まった黒のバイクの前でかっこよく立っていた。

「最初の台詞それかよ」

「てっきり、特攻服かと思って…」

「夏祭りに特攻服はねぇわ」
「すぐ捕まるわ」

「だ、だよね…」

 (そら)くんは黒いヘルメットの顎下のハーネスのベルトを私の首元で固定するとシールドを降ろす。

 似合ってないポニテのまま、
 初めて(そら)くんのバイクに…緊張する…。

 ドキドキしていると(そら)くんは私を持ち上げてリアシートに(またが)らせる。

 一瞬、触れられただけなのに、
 心臓、壊れそう。

 (そら)くんもシートに跨り、キーを(ひね)ると甲高い爆音が響き渡った。

 私はとりあえずバイクの車体に(つか)まる。

「手はどこに…」


「俺んとこ」

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