最強総長は姫を眠らせない。🌹
私はバイクの車体に掴まる両手を離し、ぎゅっと宙くんの腰に両手を回す。
まずい。
まずいって。
心臓の音、聞こえちゃう。
「ちゃんと掴まってろよ」
「あ、うん」
「じゃあ行くわ」
宙くんのバイクが走り出した。
*
15分後。川の土手に着いた。
ガードレールの向こう側には向日葵が綺麗に咲き乱れている。
「ここって中2の夏に来たよね?」
「あぁ。自転車で2人乗りしてな」
「俺の家からだと5~10分で着く」
「そうだったね」
「なんでここに?」
「約束しただろ」
「約束?」
私は首を傾げる。
「またここで一緒に花火見ようって」