最強総長は姫を眠らせない。🌹
駆けて来た耀くんが開いた扉に手を突き、声をかけてきた。
え、耀くん!?
耀くんは中に入って教室の前扉を適当に閉めると慌てて近づいてくる。
生徒会室でのミスターコンの打ち合わせ終わったのかな?
「あ、うん、大丈夫」
「隣のクラスでお皿割れたみたい…」
ズキンッ。
「ッ…」
私はガラスが割れるような頭痛に襲われ、耀くんの胸の倒れ掛かる。
「あ、ごめ…」
胸から離れようとすると、
「全然大丈夫じゃないじゃん」
耀くんはそれを阻止して右手で優しく私の後頭部に触れた。
え、え…?
ど、どうしよう。
胸から離れられなくなっちゃった…。
あかりちゃんに申し訳ない!
早く離れないと!
「よ、耀くん、あの私、もう大丈夫なので…」
耀くんは悪魔な顔をする。
「…雪乃ちゃんってさ、“記憶喪失”なの?」