最強総長は姫を眠らせない。🌹
「琉くん、なん…で…?」
「なんでバラすの…?」
私は怒りを交えながら尋ねる。
「その方が戦いやすいだろ?」
「なぁ?」
「あかり、幻滅したよね?」
「それでも助けるから!!」
美青ちゃんは涙を滲ませながら叫ぶと、立ち向かおうとする。
グイッ!
私は美青ちゃんの右腕を掴んで止めた。
「雪乃!? なんで止めるのよ!?」
「ここで戦ったらあかりちゃんだけじゃなくて」
「先生や高校のみんなにも美青ちゃんが暴走族の姫だってバレちゃう!」
「そんなの絶対にだめ!!」
「退学になったって構わない!」
「そもそも高校行く気なかったんだから!!」
「だったとしても、私は美青ちゃんと、これからも高校生活送りたいよ!!」
「雪乃、ありがと」
美青ちゃんは微笑むと、バッ! と私の手を振り払う。
あっ……。
「琉――――!!」
美青ちゃんは一直線に駆け、殴りに行く。