最強総長は姫を眠らせない。🌹

「へぇ、まだ立ち上がるんだ?」

「ゆきのん、もういい! 逃げて!!」
 (よく)くんに続けて、あかりちゃんが叫ぶ。

「あの時は付き人として見てたけどさ」
「前もそうやって助けようとしたね」

 (よく)くんが笑うと、ズキン!

「う…」
 ガラスが割れるような頭痛に襲われ倒れかけると、
 (りゅう)くんは(あずさ)くんにあかりちゃんを預け、
 私の右腕を掴んで支える。

「離し…」

「辛いだろ。眠っとけ」
 (りゅう)くんがそう言うと、意識を失いそうになるも私は耐える。

「私は…眠らない」
「あかりちゃんは…私が…助けるんだ」


雪乃(ゆきの)!」


 (そら)くんが耀(よう)くん、(しゅん)くんを連れて走って来た。

 あ…来てくれた……。

 (りゅう)くんは私を扉の前に座らせる。

「姫、ここで見てろ」
「てめぇら、行くぞ!」

 殴り合いの喧嘩が始まった。
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