最強総長は姫を眠らせない。🌹
「雪乃!」
宙くんが駆けて来る。
宙くんが缶ジュースを投げ捨てしゃがむと、
私は胸の中で倒れた。
「大丈夫か!?」
「宙く…あかりちゃん達のこと……」
「何言ってんだ!? 自分の心配しろよ」
「そう…だね…」
私は転がる缶ジュースを見る。
「あ…グレープジュース…?」
「あぁ。雪乃、好きだろ?」
「うん……」
ズキン!
茨が荒れ狂って暴れたような今までで一番の痛みに襲われる。
「あぁっ!」
「雪乃!」
「宙く…怖い…」
「怖いよ…」
「宙くん…お願い…眠らせ…ないで…」
宙くんが口を開く。