最強総長は姫を眠らせない。🌹

 ど、どうしよう…。
 隣歩いてるだけなのに、
 なんだかドキドキして、言葉が出てこない…。

 私達は無言のまま裏道に入る。

 このままじゃ、私の心臓が持たない。
 何か話しかけよう。

「そ、(そら)く…」


「誰の許可取ってここを歩いてる?」


 水色の髪。
 6代目副総長氷浦(ひうら)と背中に書かれた青の字を金色で囲った白の特攻服。

 突然、高校生くらいの男子に立ち塞がれ、
 私達は静止する。

 え、誰?
 すごい格好…コスプレか何かかな…?

 ガシャーンッ!

 私の体がびくつく。

 (そら)くんは自転車を水色髪の男子に倒して、私の手をひいて逃げる。

「え、(そら)くん!?」

「何も話すな! このまま逃げ切るぞ」


「甘いな」


 ブォオン
 ブォオン
 ブォオオオンッ!

 前から走ってくる白いバイクの眩しい光が私達の全身を照らす。
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