最強総長は姫を眠らせない。🌹
「別にいいでしょ」
「ちょっと自販機まで行ってジュース買ってくるだけだから」
「何? 1円も稼いでないあんたが私に口答え?」
「やっぱり、あのクズ男の子ね」
「わざわざ遠い高校選ぶわ、高校生になったらなったでそんな頭しだして」
「何? バツ2の私に対する嫌がらせ?」
「看護師として日々働いて、たっかい授業料払ってやってんのに!」
「この穀潰しが!」
違う。
遠い高校を選んだのは宙くんとの約束を果たす為で、
髪は目立ちたくないからなのに。
でも、言ったところで、信じてなんてもらえない。
私の両目が潤む。
「っ…」
私はお母さんに背を向けて、玄関まで走る。
そしてスニーカーを履き、家を出た。