最強総長は姫を眠らせない。🌹

 抑えようもなく、大粒の涙が(こぼ)れ落ちる。

「え…さっきの…聞こえて……?」

「あぁ」

 頬を伝う涙は勢いを増して、次々と流れていく。

 聞こえてたんだ。
 ちゃんと届いたんだ。

「小5の夏」
「お前と初めて本音を言い合った日から」
「徐々に惹かれていった」

 (そら)くんは、ふっ、と笑う。
「義兄妹になった時は面倒な奴としか思ってなかったのにな」

「5年目で、ようやく気持ち言えたわ」
「マジ長かったわ」

 あぁ、もう、ほんとに夢みたいだ。
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