最強総長は姫を眠らせない。🌹

「えぇ!?」
「じゃ、じゃあ、さっき、“俺の彼女”って(そら)くんが言ったのは…」


雪乃(ゆきの)が彼女だって私達に報告してくれたってことだよ!」


 美青(みお)ちゃんが必死にそう言うと、

 私の頬にぽろぽろと暖かな涙が(こぼ)れ落ちる。

 ふたりはそんな私をぎゅっと抱き締めた。

「ゆきのん、良かったね」
 満面の笑みのあかりちゃんに、

「おめでと」
 優しく微笑む美青(みお)ちゃん。

 こんなの、もっと泣いちゃうよ。

「でも私、(りゅう)くんの…」

「文化祭の打ち上げで耀(よう)から聞いた」
雪乃(ゆきの)、中2の夏の一部の記憶失ってるんだってね……」
「あの時は本当にごめんね、そんなことも知らずに胸倉掴んだりして…」

「ううん、美青(みお)ちゃんは悪くないよ」
「私の方こそ、今まで内緒にしててごめんなさい…」

「ゆきのん、頭痛は大丈夫?」

「うん、もう大丈夫。ぜんぶ思い出したから」

 答えると、あかりちゃんは驚く。

「え、ぜんぶって…」

「あかりちゃん、美青(みお)ちゃん、私ね」

 呼びかけると、私は力なく笑う。
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