最強総長は姫を眠らせない。🌹
「…さっきの約束、誰にも言うなよ」
「…内緒だからな」
宙くんが私の耳元でボソッと囁く。
「…うん、内緒」
私達は2度目の約束をした。
だけどそれを叶える為には壁がある。
お母さんは私の幸せを願わない。
絶対に私達を受け入れてはくれない。
*
コトッ…。
10月27日の夜。ビックTシャツにショートパンツ姿の私は居間のテーブルに昨日書いた手紙と家のスペアキーを並べて置いた。
この一週間、
お母さんに宙くんとのことを話そうか迷ったけど、
話したところで許してくれるはずがないのは分かり切ってて、
結局話せなかった。
昨日はお母さんに左の頬を平手打ちされて、
顔に缶ビールをかけられた。
それでも泣きながら部屋でお母さん宛の手紙を震えながら書いた。
これで最後になるかもしれないから。