最強総長は姫を眠らせない。🌹

「雪乃(ゆきの)、出てったのね」
「結婚する前の私と同じじゃない」

　雪(ゆき)は一筋の涙を零(こぼ)す。

「やっぱ、子は親に似るのね」

　雪(ゆき)はスマホから最後のラインを送る。

「……雪乃(ゆきの)、幸せになりなよ」

＊

「701号室…ここかな？」
　電車に乗ってから50分後。私は宙(そら)くんのマンションの部屋に辿り着いた。

　月籠(つきかご)高校の一駅前の駅で降りてから歩いてすぐマンションに着いちゃった。
　ほんとうに駅から近かったんだなぁ…。
　マンションの出入り口のインターフォンで部屋の番号聞いて、
　エレベーターで上がって来たけどドキドキする…。

　私は右肩にかけた学生鞄のポケットを見る。

　…ん？
　スマホ緑色に光ってる？

　水色のスーツケースを隣に置いたまま、学生鞄からスマホを取り出す。

「あ、お母さん……」

　え……。