最強総長は姫を眠らせない。🌹

 すると私の前に並んでいたサラリーマンが後ろのJK達に押される。

 JK達、私の背中、押そうとしてたの?

 私は驚きつつも肩を抱き寄せられたまま歩き、(そら)くんと電車に乗った。

「間一髪だったな」

「うん…助けてくれてありがとう」



「あー、ゆきのん、おはよー!」
 10分後。次の駅から出たところで、あかりちゃんが手をひらひらと振った。

 私と(そら)くんの驚いた顔を見て、

 (しゅん)くんが、ぶはっと笑う。
「すげぇ顔」

「やっと来たか、遅ぇよ」
 腕組をした耀(よう)くんが(そら)くんに話しかける。

「おい、なんでいるんだよ?」

「今日はみんなで登校しよって事になって待ってたの」
 美青(みお)ちゃんが代わりに説明すると、

 あかりちゃんは私の髪に鼻を近づける。
「あ、ゆきのん、(そら)と同じ香りがする」

 ギクッ。

「ふたりとも同じシャンプーで髪洗ってたり?」

 やばい。
 昨日の夜、(そら)くんのシャンプーで髪洗っちゃったから……。
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