最強総長は姫を眠らせない。🌹
*
その日の深夜。パーカー姿の私は7階のベランダで宙くんを見送る。
私、ちゃんと笑えてるかな?
あっ、ぼんやりとしか見えないけど、
宙くん、手、上げてくれた?
甲高い爆音が響き渡り、私の体がびくつく。
やがて黒のバイクに跨った宙くんの姿が見えなくなった。
宙くん、夜の集会に行っちゃった…。
“雪乃に集会は必要ない”
宙くんにそう止められた理由は分かってる。
表向きでは“琉くんの彼女”で、
未来が変わらなければ、
クリスマスイヴには“琉くんの姫”になるから。
一人残されたって、
「…気にしないよ」
だって、私は今、宙くんの彼女で、
宙くんと同居してる。
それだけで幸せだもん。
「幸せ…なのに」
私は両手で顔を覆う。
分かってるのに。
掌が涙で濡れていく。
私も一緒に行きたかった。
その日の深夜。パーカー姿の私は7階のベランダで宙くんを見送る。
私、ちゃんと笑えてるかな?
あっ、ぼんやりとしか見えないけど、
宙くん、手、上げてくれた?
甲高い爆音が響き渡り、私の体がびくつく。
やがて黒のバイクに跨った宙くんの姿が見えなくなった。
宙くん、夜の集会に行っちゃった…。
“雪乃に集会は必要ない”
宙くんにそう止められた理由は分かってる。
表向きでは“琉くんの彼女”で、
未来が変わらなければ、
クリスマスイヴには“琉くんの姫”になるから。
一人残されたって、
「…気にしないよ」
だって、私は今、宙くんの彼女で、
宙くんと同居してる。
それだけで幸せだもん。
「幸せ…なのに」
私は両手で顔を覆う。
分かってるのに。
掌が涙で濡れていく。
私も一緒に行きたかった。