最強総長は姫を眠らせない。🌹

雪乃(ゆきの)ちゃんは美青(みお)とここで待ってて」
「俺達が話しつけてくるから」

耀(よう)くん大丈夫、私が行く」
「みんなはここで見守ってて」

 私は右肩にかかった鞄の紐を持ち、校門の外に向かって駆けていく。

 あ、耀(よう)くん達、私の名前呼んで…。
 大丈夫。
 ちょっと話すだけだから、すぐ終わる。

 校門の外に出ると、星羽(ほしばね)高校の制服を着崩した(りゅう)くんが壁に寄りかかり、かっこよく立っていた。

「よぉ。姫が自ら駆けて来てくれるとはな」
「直接会うのは文化祭の一般公開日以来だが、あれから頭痛は大丈夫か?」

「はい。何の用…ですか?」
 私は恐る恐る尋ねる。

「ここじゃマズィから、あっちの路地裏で話そうぜ」
 (りゅう)くんにそう言われ、路地裏まで歩く。

「23日空いてるか?」

 23日?
 確か(そら)くんのバイトの日だ…。

「デートしようぜ」

 私は両目を見開く。

 え、デート!?!?

 まさか、デートに誘われるなんて思ってもみなかった…。
 どうしよう、断りたい…けど……。

 私、(りゅう)くんの姫になる約束してるし、
 氷浦(ひうら)闇十字(やみじゅうじ)、いつ抗争始まってもおかしくない状況なんだよね…?
 もし断ったりしたら鬼雪(おにゆき)も抗争に巻き込まれるんじゃ…。
< 295 / 392 >

この作品をシェア

pagetop