最強総長は姫を眠らせない。🌹
「雪乃ちゃんは美青とここで待ってて」
「俺達が話しつけてくるから」
「耀くん大丈夫、私が行く」
「みんなはここで見守ってて」
私は右肩にかかった鞄の紐を持ち、校門の外に向かって駆けていく。
あ、耀くん達、私の名前呼んで…。
大丈夫。
ちょっと話すだけだから、すぐ終わる。
校門の外に出ると、星羽高校の制服を着崩した琉くんが壁に寄りかかり、かっこよく立っていた。
「よぉ。姫が自ら駆けて来てくれるとはな」
「直接会うのは文化祭の一般公開日以来だが、あれから頭痛は大丈夫か?」
「はい。何の用…ですか?」
私は恐る恐る尋ねる。
「ここじゃマズィから、あっちの路地裏で話そうぜ」
琉くんにそう言われ、路地裏まで歩く。
「23日空いてるか?」
23日?
確か宙くんのバイトの日だ…。
「デートしようぜ」
私は両目を見開く。
え、デート!?!?
まさか、デートに誘われるなんて思ってもみなかった…。
どうしよう、断りたい…けど……。
私、琉くんの姫になる約束してるし、
氷浦と闇十字、いつ抗争始まってもおかしくない状況なんだよね…?
もし断ったりしたら鬼雪も抗争に巻き込まれるんじゃ…。