最強総長は姫を眠らせない。🌹

「あの、(りゅう)くんは…私のお父さんと会ったことあるんですか?」

「直接会ったことはねぇけど、この前、ライブハウスに入ってくの見かけたな」

 え、ライブハウス?

「どこのライブハウスですか!?」

「ダクノ」

「ダクノ?」
 私は首を傾げる。

「あぁ、略して悪りぃ」
「ダークノート、星羽(ほしばね)高校の近くのな」

 ダークノート、名前聞いたことある…。
 確か有名なライブハウスだったはず。
 星羽(ほしばね)高校の近くってことは、月籠(ここ)とは反対方向になるけど、電車で行ける距離だよね……。

「お前一緒に暮らしてるんじゃないのか?」

「いえ、小5の時にお母さんが再婚してそれっきり……」
「今はまた離婚してお母さんと2人です」

「なるほど。それで苗字が違うんだな」
「ダクノ、時間あるなら今から連れて行ってやろうか?」

「だ、大丈夫です。今更会う気はないので……」

「そうか、じゃあ」

 (りゅう)くんは耳元で甘く脅す。


「…23日な」
「…誰にも内緒にしろよ、雪乃(ゆきの)、いいな?」

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