最強総長は姫を眠らせない。🌹
私はぎゅっと脱いだビックTシャツを抱き締める。
「……私のお父さん、ダークノートっていうライブハウスに通ってるんだって」
「白坂から聞いたのか?」
「うん」
「でも今更会う気は……」
ギシッ…。
宙くんは隣に座ると、後ろから右腕で私を抱き締める。
「一緒に会いに行くか?」
「え?」
「ほんとはクソ親になんか会わせたくねぇ」
「でも、会いたいんだろ?」
ぽたっ……。
堪え切れなくなった涙が2粒頬に伝う。
「……うん、会いたい」
その後、私達は服を着て、寝転がる。
宙くんは切なげな顔で手をぎゅっと繋いだまま放さなかった。