最強総長は姫を眠らせない。🌹
「展望台の方がもっと綺麗に見えるぞ、上がるか?」
「うん」
私達は起き上がると花の展望台まで歩いて行く。
花の展望台は二重螺旋構造になっており、上がり用通路の階段を上がっていくと頂上に着いた。
夜空の星々が満天に輝き、視界一面に絶景が広がる。
「わぁ、すごい綺麗…」
けど、寒い…。
琉くんは白のファーコートを脱ぎ、私の両肩にふわっとかける。
「着とけ」
「あ、ありがとう…」
「頭痛は大丈夫か?」
「うん、最近、調子いいみたい」
「……変だな」
琉くんはボソッと呟く。
「琉くん?」
「甘酒飲むか? 少しは温まるぞ」
「うん」
長袖Tシャツを着た琉くんはグレーのリュックから缶の甘酒を取り出し、私に手渡す。
自分の分も取り出し、お互いにプシュッと蓋を開け、缶同士を軽くぶつけ合った後、飲む。
「甘酒美味しいね」
「夜景も琉くんが言った通り、ほんとうに綺麗…」
「喜んで貰えて良かった」
「これでもデート初めてだからな」
え、初めて!?!?
「…あの、初めてが私で良かったんですか?」
私は恐る恐る尋ねる。