最強総長は姫を眠らせない。🌹
「部屋なんていっぱいある。また探せばいい」
――そうだよ、宙くんの言う通りだ。
また探せばいい。
だけど、空き部屋が使えなくなっただけで、
不安で押し潰されそう。
“宙くんとの別れが近い”んじゃないかって。
「…雪乃?」
「……ツインちゃんに花城さんは“琉くんの彼女”なんだからって言われた」
私はぎゅっとグレーチェックの膝かけを抱き締めながら泣く。
「私は“宙くんの彼女”なのに」
切なげな顔をした宙くんは膝かけごと私をぎゅっと抱き締め、名前を呼ぶ。
「…雪乃」
「雪乃っ…」
「“雪乃は俺の彼女”だよ」
「これからもずっと」
「うんっ…」
宙くん、お願い。
このままずっと、私のこと離さないでいて。