最強総長は姫を眠らせない。🌹

 (そら)くんは、ぽんっと私の頭を叩くと、シャワーを浴びに行く。

 バスローブ姿の私はベットに座ると、さっき洗ってドライヤーで乾かした髪をリボンのゴムでポニテに結ぶ。

 履いたスリッパふわふわ。
 (そら)くんがシャワー浴びてると思うとそれだけでドキドキする。

「…ちゃんとここにいろよ、かぁ」
 私はふっ、と笑う。

 まるで私がここからいなくなるの分かってるみたい。

 ここにいたら私、(そら)くんに“ずっと守られたまま”生きて行くんだろうな。

 だけど、

 ほんとうにそれでいいのかな?

「……よくないよ」

 ぽろ、と一粒の涙が零れ落ちる。
 私はその涙を指で拭き取った。

雪乃(ゆきの)、ほんとに凄かったわ」
 上半身裸でタオルを首にかけた(そら)くんがバスルームから部屋に戻って来た。

 少し湿った紫髪…かっこいい…。
 それに(そら)くん、いつもと違う甘くて爽やかなシャンプーの香りがする…ドキドキが止まらない。

「そ、(そら)くん、バスローブ着て」

「はいはい」
 (そら)くんはバスローブを着るとベットに置かれたウエストバックから何かを取り出す。

雪乃(ゆきの)、手出して」

「手?」
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