最強総長は姫を眠らせない。🌹

 (そら)くんからだ。
 起きたんだ…。

 今ならまだ間に合う。
 引き返せる。

 そう思って通話ボタンを押そうとするも出来ない。
 自ら切ることも出来ない。

 ただ画面を見つめる事しか出来ない。

 私は通話ボタンを押さずに耳元にスマホを当てて泣く。

 (そら)くん、大好きだったよ。
 どうか、幸せでいて。



 15分間乗り…乗換えをして30分後。私は裏道に一人で辿り着いた。

 着いた時には約束の21時は過ぎ、15分経っており、
 7代目総長氷浦(ひうら)と背中に書かれた青の字を金色で囲った白の特攻服姿の(りゅう)くんが雪の中立って待っていた。

 あ…(りゅう)くん、雪だらけ……。

 (りゅう)くんは私を強く抱き締める。

「姫、来ねぇかと思った」

「っ…」

(りゅう)、良かったね」

 え、この声は。

 私達は声の主を見る。
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