最強総長は姫を眠らせない。🌹
宙くんからだ。
起きたんだ…。
今ならまだ間に合う。
引き返せる。
そう思って通話ボタンを押そうとするも出来ない。
自ら切ることも出来ない。
ただ画面を見つめる事しか出来ない。
私は通話ボタンを押さずに耳元にスマホを当てて泣く。
宙くん、大好きだったよ。
どうか、幸せでいて。
*
15分間乗り…乗換えをして30分後。私は裏道に一人で辿り着いた。
着いた時には約束の21時は過ぎ、15分経っており、
7代目総長氷浦と背中に書かれた青の字を金色で囲った白の特攻服姿の琉くんが雪の中立って待っていた。
あ…琉くん、雪だらけ……。
琉くんは私を強く抱き締める。
「姫、来ねぇかと思った」
「っ…」
「琉、良かったね」
え、この声は。
私達は声の主を見る。