最強総長は姫を眠らせない。🌹

 私は両目を見開く。

「はっ、何も知らねぇと思ってたのか?」


「俺は頂点の総長(ワル)だぜ?」


 私はゾクッとする。

「あ……」

 まさかバレてたなんて……。
 どうしよう!

 (りゅう)くんは私の震えた手をチラリと見ると、はーっと息を吐く。

「…正直、胸糞悪ぃが」

「逃げずに俺の元に来てくれた」
「もうそれだけでいい」

 (りゅう)くん……。

「…あの」

「何だよ?」

「私はこのまま(りゅう)くんの姫になります」

「だからお願い」
鬼雪(おにゆき)だけは潰さないで下さい」

 私は必死な表情で頼む。

「――――無理だな」

「え…」

「俺の大事な姫に先に手ぇ出したんだ」
「お前が俺の立場なら許せるか?」

 私の両目が揺れる。
「それ…は…………」

「…まぁ俺から手ぇ出さなくとも、あいつは俺達をぜってぇ潰しに来る」
「必ず迎えに行くってほざいてたしな」

「だとしてもお願い」
「殺さないで」

「だったら」

 (りゅう)くんは本気の目で私を見つめる。


「今から俺を押し倒してキスしてみろよ」

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