最強総長は姫を眠らせない。🌹

「え…」

「おねだりするんなら先にご褒美くれないとな?」


「“守れるくらい強い姫”になるんだろ?」


 もう、やるしかない。

 ドサッ……。

 私は意を決して(りゅう)くんをベットに押し倒す。

 そして唇を近づけていく。

 あ、もう少しで唇が触れ……。

 (りゅう)くんは避ける。

 え?

「もういい。んな顔でされても嬉しくねぇ」

 ……?

 あれ?
 目の前がぼんやりしてきて…。

「やっと効いてきたようだな」

 効いた?

 私はハッとする。

「もしかしてミルクティーに…?」

「あぁ、お前が飲んだのは睡眠薬入りミルクティー」
「睡眠薬は鬱で眠れない患者になりすまし入手したブツだ」

 嘘でしょ…。

(りゅう)くん、なんでこんなこと…姫になったのに…」

「なんか勘違いしてるみてぇだな」


「お前を俺の姫にするとは約束したが」
「“生かす”とは一言も言ってねぇ」

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