最強総長は姫を眠らせない。🌹
私は絶望する。
そん…な……。
「最初から…殺すつもりだったの…?」
「今までの態度は…ぜんぶ嘘だったの…?」
「そうだ、お前は最初から人質だからな」
「ひどい…」
じゃあこのまま眠ったら私、琉くんに殺されちゃうの?
そんなのやだ、眠りたくない!
ずるっ。
え?
私はベットから落ちそうになる。
琉くんはとっさに起き上がり、私の頭を支えた。
「危ねぇ」
“ぜってぇ諦めんなよ!”
“必ず俺が迎えに行くからな!!”
宙くんの声が脳裏に響く。
宙く…帰り…たい。
帰りたい。
帰りたい!
だから――――。
「私は…眠らない」
「ぜったい……」
…でもほんとうは分かってる。
もう2度と帰れない。
琉くんは頭を支えたまま、私のシルバーネックレスに自分の人差し指を入れて引っ張る。