最強総長は姫を眠らせない。🌹

 (りゅう)くんはそのまま唇を奪う。

 私の右目から一筋の涙が(こぼ)れ落ちる。

 もう一度(そら)くんに、

 “おかえり”

 って言って欲しかったな…………。

 私は意識を失った。



 日付が変わった深夜。(そら)はバイクでマンションの部屋に帰って来た。
 (そら)の黒のパーカージャケットは粉雪が溶け、少し湿っている。

 雪乃(ゆきの)(りゅう)にバイクで連れて行かれた後、
 (そら)耀(よう)にライン電話をかけ、
 帰り道の途中で耀(よう)(しゅん)と合流し、雪乃(ゆきの)(りゅう)の姫になった事を告げると耀(よう)に罵倒されたものの、氷浦(ひうら)に抗争をどう仕掛けるかを話し合った。

 意見がまとまると今日の25日に開かれる鬼雪(おにゆき)の夜の集会で全員に伝える運びとなった。

雪乃(ゆきの)、ぜってぇ、勝つからな」

 ~♪
 雪乃(ゆきの)からライン電話が掛かってくる。

 (そら)は妙だなと思いつつ電話に出た。

「もしもし?」

『俺だ』

 (そら)の顔が強張る。
白坂(しろさか)てめぇ、何勝手に雪乃(ゆきの)のスマホ使ってんだよ?」

『お前に伝えたいことがあってな』

「何だよ?」
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