最強総長は姫を眠らせない。🌹
琉くんはそのまま唇を奪う。
私の右目から一筋の涙が零れ落ちる。
もう一度宙くんに、
“おかえり”
って言って欲しかったな…………。
私は意識を失った。
*
日付が変わった深夜。宙はバイクでマンションの部屋に帰って来た。
宙の黒のパーカージャケットは粉雪が溶け、少し湿っている。
雪乃が琉にバイクで連れて行かれた後、
宙は耀にライン電話をかけ、
帰り道の途中で耀と春と合流し、雪乃が琉の姫になった事を告げると耀に罵倒されたものの、氷浦に抗争をどう仕掛けるかを話し合った。
意見がまとまると今日の25日に開かれる鬼雪の夜の集会で全員に伝える運びとなった。
「雪乃、ぜってぇ、勝つからな」
~♪
雪乃からライン電話が掛かってくる。
宙は妙だなと思いつつ電話に出た。
「もしもし?」
『俺だ』
宙の顔が強張る。
「白坂てめぇ、何勝手に雪乃のスマホ使ってんだよ?」
『お前に伝えたいことがあってな』
「何だよ?」