最強総長は姫を眠らせない。🌹
『月籠高校で会おうな』
『うん』
『助けてくれてありがとう』
『宙くん…お願い…眠らせ…ないで…』
『……………………好き』
『私を今すぐ連れて帰って』
『宙、大好き』
『私、守れるくらい強い姫になるから!!』
そして宙は消え入るような声でぽつり呟く。
「……俺が全国トップになった時、お前がいなきゃ意味ねぇじゃねぇか」
宙は両目から口に右手を移す。
宙の痛々しいくらい切なげな表情があらわになる。
――――雪乃にぜんぶあげた後、気を緩めて寝なければ。そしたら手放さずに済んだのに。
宙の両目から光が消えた。