最強総長は姫を眠らせない。🌹
「師匠なんで……」
「は!? こいつが宙の師匠!?」
春は声を上げる。
「お前に渡すものがあって寄ったらこのザマか」
「宙、お前は一体何をやっている」
「雪乃が死んだ…未来を変えられなかった…」
「それがどうした?」
頼は冷たい表情のまま聞き返す。
「白坂琉を倒し、氷浦を潰して、全国の頂点の総長になるのではなかったのか?」
「全国2位のまま諦めていいのか?」
「雪乃の仇は取らなくていいのか?」
宙の顔が鬼の形相に変わる。
「言い訳ねぇだろ」
「その顔こそ、鬼雪5代目総長黒沢宙、俺の最高の弟子の顔だ」
「宙、この木刀で奴を倒せ」
頼は裏に雷のシールが貼られた木刀を差し出す。
「あぁ、必ず」
宙はそれを受け取った。