最強総長は姫を眠らせない。🌹


 40分後。(そら)達は(つた)が絡まる赤い屋根のレンガ倉庫が見える港に辿り着いた。

 泡雪が降る中、バイクでたむろっていた氷浦(ひうら)の特攻服姿の族達は驚く。

 カワサキ400の銀色の鬼のマークがついた黒バイクに乗った(そら)(らい)から受け取った木刀を氷浦(ひうら)の族達に向ける。


「突っ込めぇぇええ!」


 (そら)が大声で叫ぶと、鬼雪(おにゆき)の族達は一斉にバイクで突っ込んだ。


 鬼雪(おにゆき)氷浦(ひうら)の総勢40人程の伝説と受け継がれる全面抗争が幕を開けた。


「おらおらおらぁ!!」
 鬼雪(おにゆき)氷浦(ひうら)のケツ持ちの下っ端達が叫び合い、バイクで真正面から押し合う。
 耐え切れなくなった双方はバイクから振り落とされる。

「女のくせに抗争に入ってくんじゃねーよ」
 氷浦(ひうら)の下っ端の一人が毒舌を吐いた。

「女だからって、なめるなあああ!!」
 あかりは後輪を空転させて白煙を出し、バイクに跨った状態で後輪をホイルスピンさせながらぐるぐる回る。
 下っ端達は衝撃でバイクから吹っ飛んだり、海に落ちていく。

「危ねぇ!」

「え?」
< 375 / 392 >

この作品をシェア

pagetop