最強総長は姫を眠らせない。🌹


 そして、一時間後。私はうとうとした状態で駅の階段を上がっていく。

 階段何段あるの?
 ほんとう毎朝、つらい…眠いし…。
 あ、上まで着いた…このまま進も……。

 ――――ドンッ!
 私は誰かの肩にぶつかった。

「きゃっ!」

 ばしゃあっ!
 缶からグレープフルーツ味のサワーが飛び散り、私の制服や床が濡れた。

「あぁ? 何すんだよ?」
 赤髪の強面なヤンキーに物凄い顔で睨まれる。

 赤髪のヤンキー!?
 赤髪、初めて見た…大体金髪が多いし…じゃなくて。
 ヤンキーの腕も濡れてる……。

 どうやら私、ヤンキーが飲んでたサワーをぶちまけてしまったみたい…。

「なんか、あそこモメてね?」
「関わると怖いし、放っておこ」

 見てる大人も学生達も見事にスルー。
 誰も助けてはくれない。
< 4 / 392 >

この作品をシェア

pagetop