最強総長は姫を眠らせない。🌹
私は右膝に顔を埋める。
「…ますます眠れなくなった」
「宙くんは?」
「俺も眠れてねぇよ」
「特に今日とか」
あ……。
「ごめんね」
「私と会わなかったら、もっと早くマンションに帰れたよね……」
「はー、違げぇわ」
え、理由、違う!?
「教室だと女子達がギャーギャーうぜぇし」
「今日から昼休み、俺もここで休むわ」
ええ!?
「じゃあ、ここ使って。私違う場所に…」
宙くんは私の制服のリボンを掴む。
「違う場所に行ったら、お前の昔の秘密バラす」
「わ、分かった…行かない」
宙くんはリボンから手を離すと私の肩に持たれかかって来る。
なっ、なっ…。
「宙くん」
「何?」
「ど、どう? 眠れそう?」
「どうかな。お前は?」
こんなの、眠れる訳ない。
「私、義理の妹…なんだよね?」