最強総長は姫を眠らせない。🌹
secret sleep3🌹意識しすぎて、近づけない。
あぁ、眠いなぁ。
翌日の朝。駅から出た私は歩道を一人で歩いていた。
空は晴れ、周りには木々やビルが建ち並んでいる。
“私、宙くんのこと、一人の男の子として好き”
昨日、そう自覚したら、
余計に眠れなくなっちゃった。
シャー。
車輪が回り、軽やかに自転車を漕ぐ男子高校生が前から近づいてくる。
あ、やば、体がふらついて…。
後ろから誰かが駆けてくる足音が聞こえた。
転がった空き缶を飛び越え、
私を右腕で後ろから抱き、一緒に自転車を避ける。
男子高校生は悪びれる様子もなく、スピードを落とさないまま自転車で走り去っていく。
「はー、危ねぇ」
綺麗な紫髪。
あ、今日はシャツの上にパーカー羽織って…。
私達は見つめ合う。
昼間はイケメン高校生。
夜は総長の宙くんに
恋をしました。