最強総長は姫を眠らせない。🌹

 耀(よう)くんは席から立ち上がると、
 あかりちゃんに近づいていき、
 髪の赤リボンをキュッと結び直す。

「出来たよ。これで大丈夫だね」

「あ、あ、ありがと」
 あかりちゃんが顔を赤らめながらお礼を言うと、
 耀(よう)くんは自分の席に戻っていく。

 え、え!?
 ま、待って、あかりちゃん、耀(よう)くんのこと…えぇ!?
 (そら)くんの初登校の日、一番に話しかけてたし、幼馴染だから、てっきり(そら)くんに好意があるんじゃないかなって思ってたけど違ったんだ…。

(そら)くん達、彼女とか好きな子いるのかな~?」
「彼女はいないっぽいよ」
「マジで!? でもさすがに好きな子はいるんじゃない?」
 廊下で女子達がそう話し終えると、

「コラ! お前達、何やってる!!」
 阿久津(あくつ)先生の怒鳴り声が響く。

「やば、行こ」

 パタパタッ。
 女子も男子も一斉に教室に走って戻っていく。
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