最強総長は姫を眠らせない。🌹
宙くんは私のグレーチェックの膝かけを奪う。
「あっ…」
私が声を出すと、
宙くんは膝かけで私の体をふわりと包み込んで、前から抱き締めた。
ネックレスが宙くんの胸に当たって…。
「え、え、宙く…」
「あー、ほんと、お前捕まえてねぇと俺が無理だわ」
「眠れねぇわ」
「今朝も自転車に轢かれそうになるし」
「で、でも宙くんが助けてくれた」
「あぁ。だからこのまま寝る」
えぇ!?
「はっ、何驚いてんの?」
「昔もこんなふうに寝てただろ」
なっ、なっ…。
「ね、寝てないよ」
「それに義妹役だから助けてくれるんでしょ?」
あ、スネた言い方になっちゃった……。
「お前まで変な噂信じてんじゃねぇよ」
「役で俺がリボンほどくと思う?」
宙くんの甘い吐息が耳にかかる。
「…言っとくけど、俺、義妹役になったつもりねぇから」
「っ…」