最強総長は姫を眠らせない。🌹

「お前ら良かったな」
「これで授業終わってGW(ゴールデンウィーク)遊びまくれるぞ」
 国語の先生がにっこり笑う。

 白のチョークを持った手が震える…。

 自分の苗字を書くだけ。
 書くだけなのに。

 国語の先生が耳元に唇を近づけてくる。
「…花城(はなしろ)、昨日、剣道の授業で反論したみたいだな?」
「…おかげで関係ない俺までとばっちり受けてさ」
「…お前みたいなボサ頭は家でずっと()もってればいいんだよ」

 ガタッ。
 (そら)くんが突然、席から立ち上がった。
 そして私のところまで歩いてくる。

「貸せ」
 (そら)くんが私から白のチョークを奪う。

「あっ」

 カッカッ、と(そら)くんは黒板に書いていく。
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