破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
「誰かと親密に付き合った後で別れるのは、誰だって辛いと思う。それに、失恋する気持ちは痛いほどにわかる」
そして、膝の上で握り締めていたハンカチを取り上げ、涙がこみ上げていた私の目元に当てた。彼の慈しむような目に、どうしても苛立って眉を寄せた。
「……貴方みたいな人にも、この気持ちがわかるって言うの?」
私は、自分が傷ついているからとは言え、彼に対し失礼な事を言ったと思う。八つ当たりに近い言葉だった。けれど、ランスロットは気にしていないという事を示すように、優しく微笑んだ。
「恋を失う事は、辛い。少なくとも僕の場合は、死にたくなるくらいに、辛いものだった。それまでの何もかもが、すべて無意味なものに思えてしまうような空虚な日々を味わった」
一度も失恋したことなんて、なさそうなのに。
大きく、溜め息をついた。容姿が飛び抜けて整っている人は、それだけでいろいろな誤解されるのかもしれない。私は自分の思い込みだけの発言を、恥じた。
何故かは、わからないけれど。ランスロットは、私の辛い想いに寄り添い理解しようとしてくれている。
そして、膝の上で握り締めていたハンカチを取り上げ、涙がこみ上げていた私の目元に当てた。彼の慈しむような目に、どうしても苛立って眉を寄せた。
「……貴方みたいな人にも、この気持ちがわかるって言うの?」
私は、自分が傷ついているからとは言え、彼に対し失礼な事を言ったと思う。八つ当たりに近い言葉だった。けれど、ランスロットは気にしていないという事を示すように、優しく微笑んだ。
「恋を失う事は、辛い。少なくとも僕の場合は、死にたくなるくらいに、辛いものだった。それまでの何もかもが、すべて無意味なものに思えてしまうような空虚な日々を味わった」
一度も失恋したことなんて、なさそうなのに。
大きく、溜め息をついた。容姿が飛び抜けて整っている人は、それだけでいろいろな誤解されるのかもしれない。私は自分の思い込みだけの発言を、恥じた。
何故かは、わからないけれど。ランスロットは、私の辛い想いに寄り添い理解しようとしてくれている。