破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
「……知らない。あんな人と面と向かって話せば、流石に覚えてると思うし。本当に、クレメントって……子どもっぽい。なんでこんな人、好きだったんだろう?」
私が彼を見上げて口を尖らせると、クレメントは大きな声で笑った。
「あー……そう? 俺はお前と別れてから、やっぱり寂しかったよ。ディアーヌは可愛かったし。惜しい事したなって。一年も付き合ったしなー……俺は復縁しても良いよ。事情を知っても、お前が良いって言えば」
「もう、騙されない」
苦手な虫を見るような目を彼に向ければ、クレメントはわざとらしく流し目をして肩を竦めた。
「まー……王太子妃が、ライサンダー公爵令嬢に決まったのは、確かに大きいけどさ。ランスロットに飽きたら、いつでもどうぞ」
「絶対に、それはないから。ちょっと……ランスロットを元通りにするのを、邪魔するのだけはやめてよ」
「良いじゃん。俺だって筆頭騎士の一人で、あいつとは同じで。それなりに好きだったろ?」
「最低な中身を知って、すぐに熱は冷めた。今は何とも思ってないから。それにはっきり言うと、私。外見は、ランスロットの方が好みなんだよね」
私がピシャリとそう言えば、クレメントは胸を押さえて傷ついた演技をした。
「えー……あんなに好き好き言ってたのに、女の心変わりは一瞬だな」
「自分から別れるって言い出したんだし、当然でしょう。もう、騙されないからね」
二回目の言葉に、クレメントは苦笑して頷いた。
私が彼を見上げて口を尖らせると、クレメントは大きな声で笑った。
「あー……そう? 俺はお前と別れてから、やっぱり寂しかったよ。ディアーヌは可愛かったし。惜しい事したなって。一年も付き合ったしなー……俺は復縁しても良いよ。事情を知っても、お前が良いって言えば」
「もう、騙されない」
苦手な虫を見るような目を彼に向ければ、クレメントはわざとらしく流し目をして肩を竦めた。
「まー……王太子妃が、ライサンダー公爵令嬢に決まったのは、確かに大きいけどさ。ランスロットに飽きたら、いつでもどうぞ」
「絶対に、それはないから。ちょっと……ランスロットを元通りにするのを、邪魔するのだけはやめてよ」
「良いじゃん。俺だって筆頭騎士の一人で、あいつとは同じで。それなりに好きだったろ?」
「最低な中身を知って、すぐに熱は冷めた。今は何とも思ってないから。それにはっきり言うと、私。外見は、ランスロットの方が好みなんだよね」
私がピシャリとそう言えば、クレメントは胸を押さえて傷ついた演技をした。
「えー……あんなに好き好き言ってたのに、女の心変わりは一瞬だな」
「自分から別れるって言い出したんだし、当然でしょう。もう、騙されないからね」
二回目の言葉に、クレメントは苦笑して頷いた。