破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
でも、我が事でなく冷静に状況を見て考えてみれば、彼のようにスタスタと迷いなく進むのが一番良いように思う。だって、何があったとしても歩みを止めずに進むしかないなら、一番の最短距離を躊躇いなく進むのが、絶対に時間は掛からない。
けれど、それがわかっていても、実行出来るかはもちろん別で。
クレメントの余り考えない性格が功を奏しているのか、厳しい騎士の訓練の賜物なのかはわからないけどとにかく尊敬する。
とにかく、これで私たちの目的は果たされそうだとほっと安心して息をつく。
でも、事はそうそう簡単に上手くいくはずもなかった。
いきなり大きな蛇のような魔物が何匹も沼の中から現れて、クレメントの前に立ちはだかった。彼はそれが泥の中から現れても動揺を見せることもなく、これまで森を抜けて来た時に魔物が現れた時のようにするっと剣を抜いた。
そして、素早く魔法を使い無数の炎球を複数の蛇相手に放ち始めた。
そこまでは、良かった。
クレメントが魔物相手に戦闘する時に先手を取り攻撃を開始するのは、見ているだけの私だってこれまで幾度も目にしてきた。
けれど、それがわかっていても、実行出来るかはもちろん別で。
クレメントの余り考えない性格が功を奏しているのか、厳しい騎士の訓練の賜物なのかはわからないけどとにかく尊敬する。
とにかく、これで私たちの目的は果たされそうだとほっと安心して息をつく。
でも、事はそうそう簡単に上手くいくはずもなかった。
いきなり大きな蛇のような魔物が何匹も沼の中から現れて、クレメントの前に立ちはだかった。彼はそれが泥の中から現れても動揺を見せることもなく、これまで森を抜けて来た時に魔物が現れた時のようにするっと剣を抜いた。
そして、素早く魔法を使い無数の炎球を複数の蛇相手に放ち始めた。
そこまでは、良かった。
クレメントが魔物相手に戦闘する時に先手を取り攻撃を開始するのは、見ているだけの私だってこれまで幾度も目にしてきた。