破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
「っ……ディアーヌ!? なんで、お前こんなところに! 危険だから、早く出ろよ!!」
戦闘中に沼に入った私に気がついて。驚きの大きな声をあげたクレメントは、完全に無視だ。私はもう、ランスロットを治すのに必要だという薬草が火に焼けてしまわないかと……それだけが心配で。
重たい泥に埋もれ、掻き分け。ゆっくりと進んだ先で、私はグウィネスに言われていた通りの目立つ紫色の薬草を見つけた。ほっと息をついて、燃えてしまうことはなさそうだけど、近くにある火種だけは消しておこうと私は振り返った。
顔のすぐ間近にあった、大きな蛇の顔は凶悪だった。
瞬間、大きな声を出したかもしれない。わからない。
でも、私が咄嗟に何かをする前に、その首は緑の血飛沫をあげて飛んでいった。空に高さを持って飛んだ首をぽかんとして見上げる私に、クレメントは大きな声で怒鳴った。
「ディアーヌ! お前。今、死ぬところだったんだぞ!! なんで、こんなところに来たんだよ!!」
戦闘中に沼に入った私に気がついて。驚きの大きな声をあげたクレメントは、完全に無視だ。私はもう、ランスロットを治すのに必要だという薬草が火に焼けてしまわないかと……それだけが心配で。
重たい泥に埋もれ、掻き分け。ゆっくりと進んだ先で、私はグウィネスに言われていた通りの目立つ紫色の薬草を見つけた。ほっと息をついて、燃えてしまうことはなさそうだけど、近くにある火種だけは消しておこうと私は振り返った。
顔のすぐ間近にあった、大きな蛇の顔は凶悪だった。
瞬間、大きな声を出したかもしれない。わからない。
でも、私が咄嗟に何かをする前に、その首は緑の血飛沫をあげて飛んでいった。空に高さを持って飛んだ首をぽかんとして見上げる私に、クレメントは大きな声で怒鳴った。
「ディアーヌ! お前。今、死ぬところだったんだぞ!! なんで、こんなところに来たんだよ!!」