破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
微笑みつつすっきりとした表情をして肩を竦めたので、厳しい顔になっていたラウィーニアはようやく肩の力を抜いてくれたようだった。
「危険な場所に行くのに、適任で仕方がないとは言え、心配していたけど……自分も成長、出来たってことね。でも、復縁なんてダメよ。さっき、向こうが泣きついて未練がましく言って来そうだったわ」
「絶対にないわよ。それに、私。もう既に、妙な事を言い出したクレメントに向かって言ってやったの。ランスロットの方が、外見は好みだって」
そう言うと、ラウィーニアは思わずという様子で吹き出して笑ってしまったので、周囲の人目を気にしてから、居住まいを正し澄まし顔で尋ねて来た。
「それ、最高ね。向こうは、なんだって?」
「女の心変わりは一瞬だなって、嘆く振りをしていたわ」
「当たり前でしょう。一度自分を振った男なんて、こちらから願い下げで用無しよ。人生の時間は、有限なのよ。出来る限り、有効に使わなきゃね」
にっこりと笑ったラウィーニアに私は同意して頷き、さっき慌てて階段を駆けあがろうとしていた理由を思い出した。
「危険な場所に行くのに、適任で仕方がないとは言え、心配していたけど……自分も成長、出来たってことね。でも、復縁なんてダメよ。さっき、向こうが泣きついて未練がましく言って来そうだったわ」
「絶対にないわよ。それに、私。もう既に、妙な事を言い出したクレメントに向かって言ってやったの。ランスロットの方が、外見は好みだって」
そう言うと、ラウィーニアは思わずという様子で吹き出して笑ってしまったので、周囲の人目を気にしてから、居住まいを正し澄まし顔で尋ねて来た。
「それ、最高ね。向こうは、なんだって?」
「女の心変わりは一瞬だなって、嘆く振りをしていたわ」
「当たり前でしょう。一度自分を振った男なんて、こちらから願い下げで用無しよ。人生の時間は、有限なのよ。出来る限り、有効に使わなきゃね」
にっこりと笑ったラウィーニアに私は同意して頷き、さっき慌てて階段を駆けあがろうとしていた理由を思い出した。