破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
 隣に座っている人が考えていることがとてもわかり難いので、その対比もあるのかもしれない。

 思ったより短時間で親への結婚の許可を取るという目的を終えた私たち二人は、父に挨拶をしてから廊下を一緒に歩いた。

 実は彼は本来の休みを返上して働いているところを、仕事を抜けてまで来てくれていたので、このままトンボ帰りして仕事場に戻るらしい。

 このランスロットだけに限った話ではなく、現在の王宮騎士団は総力を挙げて王太子の婚約者を狙った件についての詳細を調査中らしい。

 襲われた彼らのすぐ傍に居た私が誰よりも思うくらいに、確かにあれは怪しい。

 コンスタンス様とラウィーニアの二人が街歩きに行こうと言い出したのは、私とランスロットを会わせてあげようという、なんてことの無い気まぐれだったはず。

 あんなに、タイミング良く媒介となった子どもたちが現れるのはおかしい。なので、内部の犯行なのではと睨んでいる人が多いらしい。

< 148 / 254 >

この作品をシェア

pagetop