破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
「ディアーヌ。これから、もしかしたら。私たちは、死ぬより辛い目に遭うことになるかもしれない。多分この件にはあまり関係のない貴女だけでも、逃してくれるように交渉はするから……どうか落ち着いて、聞いて欲しい。このナイフを、貴女に渡して置くわ。もし解放されなかったら、一緒に死にましょう」
真剣な顔をして突然とんでもない事を言い出したラウィーニアに、慌てた私は驚いて彼女の名前を口にした。
「らっ……ラウィーニア?」
「こうして私達のような貴族の娘が、婚約者の政敵に捕らえられれば何をされるかなんて……決まっているわ。でもきっと、コンスタンスが気がついてくれれば彼は騎士たちを編成して、すぐに追って来てくれるとは思う。命は最後までは決して諦めないけれど、これからは私の指示に従って欲しい。どんなに腹の立つような、何かを言われても、貴女は余計なことを決して言わないで」
これから、少しでも命が助かるために私のすべき事を明確に示した。
「……わかったわ」
きっと。王太子妃になる教育時に、こういう時の対処も学んでいるはずのラウィーニアの強い気迫に押されるようにして、私は何度も頷いた。
真剣な顔をして突然とんでもない事を言い出したラウィーニアに、慌てた私は驚いて彼女の名前を口にした。
「らっ……ラウィーニア?」
「こうして私達のような貴族の娘が、婚約者の政敵に捕らえられれば何をされるかなんて……決まっているわ。でもきっと、コンスタンスが気がついてくれれば彼は騎士たちを編成して、すぐに追って来てくれるとは思う。命は最後までは決して諦めないけれど、これからは私の指示に従って欲しい。どんなに腹の立つような、何かを言われても、貴女は余計なことを決して言わないで」
これから、少しでも命が助かるために私のすべき事を明確に示した。
「……わかったわ」
きっと。王太子妃になる教育時に、こういう時の対処も学んでいるはずのラウィーニアの強い気迫に押されるようにして、私は何度も頷いた。